The cotton conection

2012.06.13

カタツムリ

090408 556私が中学生の頃、雨の日が大嫌いでした。どうしてかというと、クセっ毛だから。湿気のある日は前髪がクルンと曲がってしまうのです。さらさらストレートの人がうらやましくて、うらめしくて、毎日毎日憂鬱な思春期を送っていました。中学校まで歩いて20~30分。雨の中そんな時間歩いていたら絶対にもうクルンクルンです。父親が出勤する時間にピッタリ重なれば車で送ってもらえたのですが、そんなのは2ヶ月に1回もない。父の機嫌と都合と雨の日が重なるなんて期待する方が悪いのです。自分ももちろんですが、二人の兄も反抗期でとにかく家中が暗いそんな時期のある日。その日も雨でした。イヤでイヤでイライラしながらも傘をさして髪の毛を気にしながら通学路を早足で進んでいました。長い階段がありました。2段飛ばしくらいで駆け下りていました。真ん中あたりでいきなり「バキッ!」と何かを踏んだような音がしたと思うと同時に足をすべらせ10段くらい見事に転がり落ちました。傘も折れ、制服もびちょびちょ。足首を捻挫したのかひどく痛く、髪の毛はぐしゃぐしゃ。靴の裏にはカタツムリの殻がついていました。ギョッとしたけれど、通学路にいた人たちに見られたのが恥ずかしくて、とにかく痛いのも我慢して走って走って何とか学校にたどり着きました。足は完全に捻挫でもう歩ける状態ではなかったので部活はお休み。部活もイヤイヤだったその頃、それは不幸中の幸いでした。そんなこんなで、カタツムリを見ただけで、踏んでしまったあの時の感触と同時に恥ずかしさとか痛みとか当時の暗く嫌な毎日を思い出すのです。
ムシが基本的に苦手な私は、家の中に何かいるだけでおびえます。それがなんと!今、家の中にカタツムリがいるのです!先日体調をくずし寝込んでいた数日間、おばあちゃんが娘を保育園に連れて行ってくれました。その送り迎えの途中でカタツムリを見つけたらしく、「せーこちゃんに借りていた容器にカタツムリ入れて返すでね~♪」と・・・。ひえぇ~!!!!そのカタツムリの入った箱を娘は食事のテーブルの上に置いては話しかけ、ソファに置いては一緒にお絵かきをし、たまにフタを開けては生存を確認し、フタの裏にくっついているとバンバン!バンバン!と思い切りたたいては落として遊んで(?)やり・・・。娘がいる間はまだいいのです。私とカタツムリが二人きりになってしまった昼間、ピーンと張りつめた空気。わかっていただけるでしょうか。この後、どうすればいいのさーーーー!!!?

(カタツムリ大好きな方、こんな話をして本当に申し訳ないです)

今では美容院に行けばストレートパーマをかけることも出来るし、雨の日は車を運転してどこまででも行けるし、あの頃の悩みなんて本当に小さな小さなことと思います。だけど当時は必死でした。本当にそれが人生の最大の山場のように思っていました。そんな気持ちを本当は忘れたいけどいつか思春期を迎えるであろう娘の気持ちをわかってあげられるよう、忘れないようにいたいと思います。「そんなこと」と言わずに真剣に一緒に解決策を考えてあげたいと・・・今は思うけど、きっとその頃の自分はまたいろいろなことで余裕がないんだろうなぁ。

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