さてずいぶん時間がたってしまいましたが、制作途中の作品公開。ここのところ毎晩、コツコツ制作に集中しています。私が作っているものはキルトではないかもしれない。生地を使った切り絵、又は貼り絵だと思います。でもどう作るかとか、どんな技法で、なんていうのは全く関係がなく、本当にステキだと思った建物や風景・空間をどうやって表現するか。どこまで自分の感じたままをその通りに表現できるか。ただそれだけです。ミシンでも手縫いでも生地でも絵の具でもいいのです。それを見た人がとても良い気持ちになったり、感動してくれたりしてくれたら、それが私の一番の原動力になるものだと思います。私はずいぶん前からキルトの世界にどっぷりつかり、今はこの業界で仕事をして何年にもなるけれど、表現方法は自由でありたい。何だか最近そう強く思います。ずっと昔に言われたコトバが頭に残ったままなのです。まだまだ若くお店もやっていない頃、アメリカで学んできた技法を使って作った作品を見たある人に「切って貼っただけでしょ」と言い捨てられ、その瞬間から何かが引っ掛かってずっと悔しい気持ちがありました。だけどこうして何年もたって私が出来ることは同じこと。切って貼っただけです。もちろん細かいアップリケだって出来るし大好きだけど、表現方法は他人が決めることじゃない。
ずっと絵画が好きだったのに、高校の美術の先生に「こんな描き方はおかしい」とたったひとこと言われた瞬間から何も描けなくなった時期がありました。私は生粋のB型で自由じゃなくちゃ生きて行けないのです(笑)。
という話をしたのは、つい先日、娘に「あそぶじかんがなくちゃイヤなの!」と反発されたからでした。娘はB型じゃないけれど、人間、ある程度余裕をもたせないとね。
私はその人(名前も顔もいまだに忘れられません)に言われたそのコトバに傷ついたけれど、ただ単にその人の立場から見たらタブーだっただけで、私がその枠(キルト業界)に合わせる必要は最初からないのに、自分の能力のなさを認めたくなくてそのコトバのせいにばかりしていたような気がします。もっと自由に、絵を描いたり布を切ったりしたい。変なところに生真面目だったりこだわりが強かったり、そのくせたった一言のコトバに打ちのめされてしまったり。そろそろ見栄とかプライドなんて捨てて(夫にはそんなものあったのか、と驚かれそう)弱い自分だってさらけ出して作品づくりに没頭したい。
・・・と、娘のたった一言で考えこんでしまった39歳B型女でした。
作品の建物はカフェ、アトリエフェリス(Art+eat atelier feliz)さん。