タロウちゃん Taro-chan 2013
Machine Piecing
Machine Applique
Machine Quilting
約70×80cm
お客さまの愛犬、タロウちゃん(ペキニーズ )のキルトです。すでに天国へ旅立たれてしまったということですが、絵画ではなく生地でつくりあげるキルトで、タロウちゃんの存在をいつも身近に感じてもらうため、とにかく質感にこだわりました。
今ごろきっと天国で走り回っている実家の犬、ロクの作品をつくったときも、その毛並みや触り心地を思い出しながらつくりました。
ご飯を食べる時はイスの背もたれに飛び乗ってきて、私の背中にピッタリ。
寝る時はベッドの上でお互い寝心地の良い姿勢を見つけるまでモゾモゾし、どんな時も従順でいつでも味方でいてくれる彼ら。
全く同じ犬種で見かけがそっくりでも、やはりうちの子は特別で一番可愛い。人間と一緒です。
そんな気持ちを知っているので、気に入ってもらえる作品を作ることが出来るかどうか不安でしたが、ただ写真とそっくりに、というとうそになってしまうので、いろいろと聞いたタロウちゃんのお話を思い出しながら作りました 。
こちらのキルトも前回ご紹介した「Pines Lakeの家」キルトと同様、ずいぶんと長い時間をかけてしまいました。
お待たせしてしまったにもかかわらず、先日納品しましたらとても喜んでくださいました。
「壁に飾ったのですが、リビングにいてもキッチンにいても、どの位置にいてもタロウちゃんの目がこちらを見ている。」という言葉が印象的でした。
何でも手づくりはそうですが、キルトをつくるということは、ひとつの作品と途方もなく長い時間向き合うということです。
ずっと楽しいわけではなくて、苦しい時間の方が長いかもしれない。
だけどこうして心の底から喜んでくれる、感動をひとに与えられる、そんな瞬間のために作れるのだ思います。
生涯でいくつ作品をつくれるだろう。その中でどれだけの人に感動してもらえるだろう。
これからも自分にしかできない作品作りを目指してがんばろうと思います。
This quilt is the pet dog of the client, Taro-chan (Pekinese).
Already he has gone to heaven. By using a quilt made of fabrics instead of painting, she always felt Tarochan’s presence, and I made it with a focus on bringing the texture closer to the real thing.
When I made the work of Roku, I made it while remembering the feel of the fur.
Like the “Pines Lake House” quilt I introduced last time, this quilt took a long time. Even though I kept my client waiting, I was very pleased when I delivered it the other day. The words “I hung it on the wall, Taro-chan’s eyes looking at me no matter where I was in the l i v ing room, the ki t chen, or wherever,” was impressive.
Like anything handmade, making a quilt means facing a piece of work for an incredibly long time. It’s not much fun, and the painful time may be longer.
However, I think that I can do my best for such moments that will give people a deep emotion and excitement. How many works can I make in my lifetime? How many people will be impressed with it?
I will continue to do my best to create works that only I can do.