今回のコンフォートキルトの活動について、いろいろなご意見があるようです。実際に過去被災された方によると、こういうときに必要なものはこういうもの(キルト)ではない。かえって多大な迷惑をかけてしまうことになりかねない。ということ。
確かにそうだと思います。各都道府県は災害時の毛布などをたくさん備蓄していて、すでに送る準備はできているそうです。今行き届いていないのは、燃料不足や受け入れ側の体制など、配り届けるシステムがまだ安定していないから。生死をわける今、このときに必要なものはキルトではないかもしれません。やみくもにキルトを送ろう、手作りなら喜ばれるだろうというのは間違いです。今はきれいなものも必要ありません。
ただ、「今ではない」のだと思います。アメリカではこのようなコンフォートキルトの活動が盛んに行われています。それは、被災直後の物資支援としてではなく、復旧に向けて頑張る人々の精神面を支援する活動、であると思うのです。(私個人の意見です)このようなキルトを受け取っても喜ばれない方々もたくさんいらっしゃると思います。何も助けてあげられない我々としては、どんな人でもとにかく寒さに凍えているひとには送ってあげたいと思います。しかしこれは私たちの自己満足でしかありません。キルトが役に立たないのであればそれはつくる意味がありません。(今回の場合。普段は自己満足ももちろんOKだと思います!)
被災地ですべての人が必要とは思えません。たとえば数ヶ月、数年後、まだまだ復旧に向けて苦しい生活をされている家族に小さな赤ちゃんがいるとします。オムツ替えシートやおくるみとして使える明るく元気な生地でつくったベビーキルトを、役立てられるなと思われた方だけに差し上げられたら理想だと思います。理想は理想です。「きれいごと」と言われればそれまでです。ただコンフォートキルトとは、絶対に被災された方々にとって迷惑になるもの、見返りをもとめるものであってはいけないと思います。
パッチワーク通信社では、まだいつ、どのような形で送られるかということは発表されていません。皆さんの思いを届けてもらうには、どのように役立てられるのかということをよく知った上で参加されることをオススメいたします。
私のお店ではこの募集を広めるためにトップページでお知らせをかきました。「私もつくってみよう!」とメールをいただいた方もたくさんいらっしゃいます。決してその気持ちは間違っていないと思います。私もこれからつくります。ただ、ゆっくりでいいと思うのです。自分の親戚、友人に送るつもりで、喜んでもらえるもの、求められているものをよく考えながら制作できたらいいなと思います。
被災された方の中で不愉快に思われた方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ございません。これは私個人の意見であって、全国のキルターの代弁ではありません。たくさんのご意見があると思います。
キルトを直接送るよりも、販売してチャリティ募金として支援する方法もあります。あまりに現実離れした現実。何かしなくてはとあせる気持ち。過去の例を学び、今回本当に自分がすべきことをよく考えなくてはと思いました。
布、キルトが大好きな皆さんの判断材料になれば幸いです。