The cotton conection

2012.07.27

手話とヘレン・ケラー

090408 1742暑い!!ですね。皆さまご無事でしょうか。昨日は一日外出で、クーラーの部屋でキンキンになり、外に出てグダァ~っとなり、またクーラーで涼んだ後に43℃の車に乗り込んだり・・・とやっていたらすっかりひどい頭痛。水分、水分、としっかり飲んでいたのですがそれも足りなくなりお茶を買いにコンビニに寄るとまたクーラーがガンガン。こりゃぁカラダもおかしくなりますね。どうか皆さまもお気をつけ下さい。
さて全く別のお話。逗子にいた頃、娘が保育園でほんの少しですが手話を習ってきました。今でもたまに、自分の名前を手話で伝えてくれる時があったり、「美味しいときはこう、すっぱい時はこうで、しょっぱい時はこうするの~!」と絶対に手話ではないだろうと思われますが、そのようなジェスチャーを教えてくれたりして遊ぶことがあります。興味があるうちに・・・と引っ越してきてから教室や講座を探していたのですが、なかなか見つからず。もうあきらめていました。しかし先日のガールスカウトで訪れた公民館に「初心者手話講座」の文字が!その近くにある岐阜聾学校で夏休みのこの時期、1回だけ開講されるというのです。そのチラシをiPhoneで撮影しておき、平日だし無理だろうなぁ、どうしようかなぁと悩んでいました。前日の夜、もうやめておこうと決めて娘にも何も話さずにいたところ、なぜか突然手話を使って名前を言ったり、また「“しょっぱい”はどうやってやるか知ってる?」など(根拠のない)説明をはじめました。すでに時計は18時を過ぎていましたが咄嗟に決断して電話をしてみました。本当は小学生以上が対象でしたが、無理やり娘(年長)もOKにしてもらい、ついに念願の手話講座に出席してきました。
とにかく私にとっては初めてだったのでちんぷんかんぷんでしたが、数字から始まって、指文字や空文字、いろいろな表現を使って歌を歌ったり。盛りだくさん。娘は最初楽しそうにやっていましたが、さすがに2時間はきつかったらしく、後半はテキストに絵を描いていました。しかし最後の方で、「それではご自分の名前をやってみましょう」と一人ずつ発表することに。なんと娘はテキストも見ずに名前を手話で発表できました!(逗子の保育園の先生、ありがとうございます!)
講座は、実際に手話のみで会話をされる先生とそれを読み取って口で説明してくれる先生と2名体制でした。手話というものは世界共通なのかと誤解していたのですが、日本語専用の手話があること。そして昭和6年頃、アメリカに渡った日本人が、あの有名なヘレン・ケラーから渡されたアルファベット式の指文字表を持って帰国し、それを日本人用に苦労して改良し、現在使われている日本式手話が出来上がったというお話がありました。そしてそれが全国に広がったのです。「へ~!」と声を出してしまいましたよ。いったいそれまでは日本ではどうしていたのかというと、各地域でバラバラの手話が存在していたそうです。ということは、当時は今のように日本国中を安心して行き来出来なかったということです。昭和の話です。つい最近まで、そんな状況だったなんて。それにしてもヘレン・ケラーの偉大さに今頃気づき、直後に図書館に寄って彼女の本を借りてきたのは言うまでもありません。まずは恒例の(笑)マンガ伝記をサックリと読みましたが、子どもの頃に何度か読んだと思ったけれど、大人になって興味を持って読むのとは大違い。すんなり頭に入ってくるし、以前は深く理解していなかった家族関係やその時代背景までもじっくり味わって読めます。もう少し詳しい本をこれから読もうと思っているけれど、大きな障害を障害と思わず、想像を絶する努力を重ねて勉強に励んだヘレン・ケラーを思うと、なんの障害もなく暮らす自分が、暑い暑いと水筒と塩キャンディーを娘と取り合いしているのが恥ずかしくなりました。

毎年イベントに出店するとき、必ず手話で会話をされているお客様がいらっしゃいます。そんな時はノートに文字を書いたり、電卓に金額を表示させたり、身振り手振りをしながらもなぜか口からは「サンキュー」とか「イエス、イエス!」なん英語が出てきたり(笑)。とにかくアタフタしてしまうのです。これからはスマートに手話でお礼が言えたり商品の説明が出来たりしたらいいなぁなんて思ったりしました。しかしそんな表面的なことよりも、同じ世界に住んでいながら、全く見えていなかった世界の存在について考えさせられ、まだまだ学ぶことが山ほどあるなと気づかされた、暑い一日なのでした。

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